2022年から電子帳簿保存法が改定!具体的に何が変わったのか?

公開日:2022/01/01  最終更新日:2022/01/26


テレワークなどの推進により働き方の変化を遂げている企業も多いこの頃、ペーパーレス化が進んでいる企業も多いのではないでしょうか。会計関連の書類も紙での保存から、デジタル化することが推進されていますが、どのような対策を講じるべきでしょうか?ここでは電子帳簿保存法の内容やポイント、改正内容について紹介します。

電子帳簿保存法とは?

ITの進化によって業務のデジタル化も進んでいます。経理や財務部門でのペーパーレス化を促進する電子帳簿保存法について詳しく解説しましょう。

■概要

国税関係の書類を電子データとして保存するときの必要条件や、電子的に受領した情報の保存方法などについて定められた法律です。ペーパーレス化を促進し、ITの活用を目的とし、1998年に施行されました。書類を電子化して保存する場合に真実性・可視性の確保という観点で要件が定められています。

■対象書類

対象となる文書は大きく3つに分けられ、総勘定元帳や現金出納帳、売掛金・買掛金元帳などの帳簿関連書類と損益計算書や貸借対照表などの決算関連書類、契約書や見積書、請求書発注書などの取引関係書類がそれにあたります。帳簿関連書類や決算関連書類は電子保存の対象、取引関係書類はスキャンして保存する書類の対象となるようです。

■適用要件

・電子保存
開始から一貫してコンピュータを使用して作成する書類・帳簿に関しては、提出の際にタイムスタンプを付すなどの措置を行うことが必要となります。

・スキャナ保存
入力期間の制限やカラー画像による読み取り、一定水準遺贈の解像度による読み取り、入力者等情報の確認などが求められます。

■改正の背景と目的

紙よりも電子データの保存のほうが場所も取らずコストもかからないことは明らかですが、多くの企業が導入できない理由としてさまざまな要件が存在していました。

税務署の事前承認や事務手続きの概要の作成や提出などさまざまな手続きが必要であり、それらが承認されるまで数カ月待機しなければいけませんでした。手間や待ち時間を考えて電子化に踏み切れない企業が多数あるため、大幅な見直しがされたようです。

電子帳簿保存法改正のポイント

今回の改正で企業における書類の電子保存を促進する目的で要件緩和が行われた点と、運用面で厳格化された点があります。改正の特徴について見ていきましょう。

■承認制度廃止

書類を電子保存する時期の3か月前までに税務署に届出を申請しなければいけませんでしたが、この制度が廃止されました。必要なスキャナや会計システムを揃えて基準を満たしていればすぐに保存が開始できます。これにより、より多くの企業が制度を活用でき、事前準備にかかっていた手間と時間を省けます。

■タイムスタンプ緩和

関係書類をスキャナで読み取った際、受領した人が署名し、電子文書の確定時刻を証明するタイムスタンプの付与を3営業日以内に受ける必要がありましたが、署名が不要になり、さらにタイムスタンプの付与期間が最長2か月までに延長されました。また、訂正や削除の履歴を残すか訂正・削除ができないシステムを使用することでタイムスタンプが不要となりました。

■適正事務処理用件廃止

従来は原本とデータの照合作業のため、検査日まで原本の破棄ができませんでしたが、スキャナを取ったらすぐに破棄できるようになったようです。また、対応にあたる事務処理担当者の人数が1名になりました。チェック体制の緩和と原本の即時廃棄により、ペーパーレス化の促進が加速化することが期待されます。

■検索要件緩和

帳簿の種類に応じて主要となる項目を検索条件として設定していましたが、用件が年月日・金額・取引先のみに緩和されました。検索要件が非常に細かく、そのための登録や管理業務に人的・物理的負担がかかっていましたが、要件が緩和されたことで効率化が図れます。

電子帳簿保存法の改正内容まとめ

過去にも改正が行われてきたこの法律に今回は抜本的な見直しがありました。この改正で中小企業のデータの電子化が進み、生産性向上やクラウド会計、テレワークの推進に役立ててほしいというのが政府の狙いです。

■データ保存要件の見直し

電子的に作成する書類だけでなく、取引先から受領した書類をスキャナで読み取って保存することや、電子的に受領したデータの保存が可能になりました。

■スキャナ保存の要件見直し

スキャナ保存特有の案件だったタイムスタンプ付与の期限が緩和されたことによりペーパーレス化が一層促進されます。年1回の定期検査で確認するまで破棄できなかった書類も電子化後すぐに破棄できるためコストの削減につながります。

 

在宅ワークの普及が進むなか、実務上のデジタル化も求められているようです。企業の負担軽減を目的として改正された新しい電子帳簿保存法により、ペーパーレス化は加速することが予想されます。今回の改正をひとつのきっかけとして、経理業務のフローを見直して、可能な限り書類をデータ化していくことで、生産性向上や業務効率化の実現につながります。

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